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2015.10.10
マガン御来鳥 @島根 宍道湖西岸

二日間ほど島根に滞在して、昨夜おそくに帰ってきた。上写真は8日(木)午後、宍道湖(しんじこ)西岸に広がる田園地帯にいたマガンの群れである。
今年は例年よりはやい9月29日に初渡来したらしく、正確にカウントしたわけではないけれど、わたしの視界に入るだけで300~400羽はいたようだ。それが収束と展開を繰り返しながら空を舞ったり、田んぼに着陸していく様子はなかなか壮観だった。
そして、真正面に着陸した群れをほふく前進しながら一羽ずつ双眼鏡で観察していくと、マガンよりやや大柄なヒシクイの姿も一部認められた。
西岸に建つ宍道湖グリーンパークの方に伺うと、ここに飛来するヒシクイのなかにはサイズやクチバシの異なるタイプの個体もいて特徴的なのだとか。渡りのルートも他県のヒシクイとはどうも異なっているらしく、このへんを突っ込んで調べていくと面白そうだよねえ。
また、マガンと並んでこのあたりで集団越冬するコハクチョウも一羽だけ観察できた。
この鳥も例年よりはやく10月7日に渡来したらしく、宍道湖に流入する斐伊川(ひいかわ)河口付近の浅瀬にぽつんと突っ立っていた。最盛期には1300羽を超える年もあるそうで、これからいよいよシーズン本番を迎えることになる。
そのほか、予想だにしないソデグロヅルの姿も。地元のバーダ―さんによると、長期滞在中ですでに見慣れた存在なのだそうだが、わたしのほうは人生初見でもありシャッターを押す指がすこしふるえた。
夕方、湖に面した葦原にはコヨシキリと思われる姿もちらちらと。地味でまぎらわしい姿をしているのだが、グリーンパークの方にコヨシキリが葦原に出没してると伺っていたのと、あちこちから聞こえた地鳴きもインターネットで調べたそれと一致したのでコヨシキリで間違いないかと。この鳥も今年初見。
葦原のそばに広がる湿地や池には、冬ガモやオオバンがたくさんいて、これだけでどんぶり三杯は食べられそうな景観だった。ただ、エクリプスの個体がかなり混じっていてひょっとすると観察種にはすこし勘違いがある可能性も。たぶん大丈夫と思うのだが、仮にミスがあったら申し訳ありません。
一方、宍道湖グリーンパークの方に聞き、いそうだけれど見つけられなかったのはムラサキサギやコシアカツバメ。このあたりはまた次の機会にゆずりたい。カリガネやタゲリ、ハマシギのシーズンには今回まだはやいようだった。
暗くなってきた18時すぎに一畑電鉄の駅を目指して土手を引き返していると、マガンの群れが派手に鳴きながらまだ田んぼのうえを舞っていた。
以上、8日(木)に観察できた種をざっとまとめておくと次のとおり。今回は時期がすこし早すぎた印象なので、次は11月とか12月に再訪してみたい。
ソデグロヅル(今年初見)、マガン(今年初見)、ヒシクイ(今年初見)、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、オグロシギ(今年初見)、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ヒヨドリ、コヨシキリ(今年初見)、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、コブハクチョウ、コハクチョウ 以上35種(2015TOTAL165種)

↑ 16時前、目の前の田んぼにマガンたちがどんどん降りてきた。

↑ 一羽が飛び立ったのを合図のようにして群れが飛び出す。

↑ ハヤブサがやってきたが、数の多さにビビったのか素通り。

↑ 望遠レンズの画角にはとても入りきれない。

↑ 17時、夕焼けの空を飛んでいく。

↑ ソデグロヅルが斐伊川の河口付近にいた。「日本の野鳥590」によると、世界でも2000~3000羽しかいない希少種。

↑ 17時前、河口から離れた田んぼの上をソデグロヅルが渡っていった。河口のと同一の個体だろうか。

↑ その少し上流の浅瀬にはコハクチョウの姿が。右を飛ぶのはダイサギ。

↑ カモなどに比べて小鳥の数は少なかったが、ノビタキやモズはけっこう頻繁に見かけた。

↑ 葦原にいたモズ。

↑ ハシビロガモやコガモなどカモの群れに、オオバンやカイツブリも混じっていた。

↑ マガンをみていたら上空でトビがケンカ(?)を始めた。

↑ 田んぼの近くを歩いていると、たまにシギやタヒバリが飛び出してきた。

↑ 湖とその西岸に建つ、宍道湖グリーンパークの野鳥観察舎。

↑ 観察舎内の様子。窓の正面にはミサゴやカワウ、オナガガモなどの姿が。

↑ 水生湿地にはカモがたくさんいた。

↑ 斐伊川にかかる灘橋から河口方面を眺める。

↑ 両サイドの葦原の地面で大量のなにかが動いているので、おそるおそる見てみるとカニだった。

↑ 米子鬼太郎空港へと向かう機内より葛西臨海公園をiPhone撮。

↑ 東京湾をぐるりと反時計回りに旋回して山陰を目指す。奥のほうには富士山。

↑ 日本アルプスを越えていく。

↑ 琵琶湖も案外はっきりと見られた。

↑ 松江しんじ湖温泉駅から一畑電車に乗って西へ。

↑ もちろん米子鬼太郎空港にはあちこちに水木しげる先生の絵やオブジェが。
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