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朝6時10分。高原の拠点施設、乗鞍観光センターの駐車場脇から始発のシャトルバスに乗る。

標高1500m地点を出発したバスは、乗鞍エコーラインをうねうね走行しながら高度を上げ、50分ほどで標高2702mの畳平に着いた。山岳天気予報を見ると、すくなくとも午前中のうちは登山指数Aだったが、バスを降りるとあたり一面の濃霧。気温6、7度かもっと低いくらいで、さらに強風が吹きつけてきて凍えるようだった。

今回は天気を見ながらの行き当たりばったりの旅で、畳平からむりして登る気はまったくない。11時5分発の復路バスを使うことにして、それまでの約3時間、バスターミナル周辺の登山道で鳥を探した。

それにしても、この悪天候である。鳥はいるのかと思いながら歩いていると、霧のなかをまず舞ったのはホシガラス。しかし、強風に飛ばされて一瞬で消えるので追いきれない。

そのホシガラスが斜面に広がるハイマツ林にもぐりこむと、松ぼっくりから種子を取り出す際にパチ、パチとかすかに音がする。それを居場所のヒントに、ようやく落ち着いてその姿を見ることができた。

また、このあたりの動植物のシンボルといえるのが、国の天然記念物ライチョウだろう。本当なのかどうか、この鳥、霧があったほうがよく出ると聞くこともある。今日はたまたまそのとおりの天気で、4羽がうろついているのを運よく見つけることができた。

余談だが、15年ほど前に立山の室堂平を訪れ、仕事でライチョウを探したことがある。そのときは5、6人がかりでなかなか発見できず、どうしてこんなところで鳥なんか探してるんだろう、と雄大な景観のなかで己の人生に疑問を感じたものだ。それがいまでは自主的に鳥を探しまわっているのだから、ひとは変われば変わるものだ、と思う。

そして今日、ホシガラス、ライチョウに続いて目にしたのは、これも森林限界より上のほうに主に生息しているイワヒバリ。ホシガラスにしてもイワヒバリにしても鳴かないので苦労したが、そろそろ帰りのバス時刻を意識する10時半ごろになってハイマツ林から出てきたイワヒバリ1羽を見つけた。

ちょろちょろ動きまわって逃げるふうでもなく、熱心にえさを探していたようだ。カヤクグリによく似ているものの、カヤクグリよりやや大きく、羽に白い部分が交ざる。くちばしの下部分が黄色いのもカヤクグリと異なる点だろう。

考えてみれば、畳平に登ってから見た鳥はけっきょくこの3種だけ。リリリリと鈴の音色ような鳴き声がしたと気になったのは、もしかすると登山者がつけていた熊鈴の音だったかもしれない。あるいはカヤクグリとか?

そして、イワヒバリと別れたあとはシャトルバスで乗鞍観光センターに戻り、正午すぎ、そばにある温泉施設でひと息入れて東京に帰ってきた。下記リストのうち最初の3種以外は、乗鞍高原の林やその帰路に見かけた鳥である。

この三日間、常に天気を心配していたが、けっきょく一度も合羽や傘を使わずにすんだ。

本日確認できた野鳥
イワヒバリ(今年初見)、ホシガラス、ライチョウ(今年初見)、トビ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ツバメ、ヒヨドリ、スズメ、イカル(鳴き声)、ホオジロ(鳴き声)、ドバト 以上12種(2019TOTAL181種)

乗鞍観光センター~畳平~乗鞍高原~甲府 車、シャトルバス、徒歩167.5km 高度307~2764m
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↑ 高山植物の種子(?)をおいしそうに食べるライチョウ。
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↑ 登山道を歩いていると、ハイマツ林からたまにホシガラスが飛び出してくる。
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↑ パチパチと音を立てながらハイマツの種子を食べていた。
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↑ イワヒバリもこの種子が好物のもよう。
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↑ くちばしの下部分は黄色く、カヤクグリとはちょっと違う。体のサイズもやや大きい。
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↑ 朝7時ごろ、標高2702mの畳平バスターミナルに到着。寒い。
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↑ バス乗り場としては日本一の高さにあるとのこと。
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↑ 近くにある魔王岳、標高2764mにはバスターミナルから片道15分ほどで登れる。
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↑ 霧が流れると、バスターミナル直下にある鶴ヶ池がうっすらと見えた。
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↑ 木道を歩きながら鳥を探す。鳴き声らしきものはほとんど聞こえなかった。
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↑ 周囲は高山植物の宝庫で、中部山岳国立公園に指定されている。ちなみに乗鞍岳というのは、剣ヶ峰(3026m)を主峰とする周囲の山々の総称だ。
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↑ シャトルバスから紅葉も見られた。色が青っぽいのは、窓に貼られたフィルムによる。畳平をくだってくると、青空の割合がどんどん増えていった。
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